気胸について

気胸とは、肺の表面に穴が開き、肺が縮んでしまう疾患です。自然気胸がもっとも多く、そのほかに原因により外傷性、医原性の気胸などに分類されます。


自然気胸についてのご説明


原因は?

肺の表面にできた嚢胞(のうほう:ブラやブレブともいいます)が破綻して胸腔内に空気が漏れてしまい、その漏れた空気が邪魔して肺が膨らめなくなった状態のことを気胸といいます。 好発年齢は20歳代ですが、50〜60歳代で発症する方も増えております。20歳代の患者さんでは、やせていて背の高い男性に多いという特徴があります。ブラができる原因は詳しくは分かっておりませんが、身長の伸びと肺の発育の不均衡によるという説があります。中高齢者の患者さんの場合は喫煙が影響していることが多いです。



どんな症状が出ますか?

突然の胸痛や肩痛、咳、呼吸困難などの症状があります。肺の縮み方が少ないときはあまり息苦しくならないことが多いです。空気漏れの部位が一方弁のようになり肺から漏れた空気がどんどん胸腔内に溜まって、胸腔内の圧が高くなりすぎることがあります。 これを緊張性気胸といい、できるだけ早く治療を行わないと命にかかわることがあります。

また、肺が縮むだけではなく、出血を伴う場合があり(血気胸といいます)、出血量が多い場合は緊急手術が必要となります。



どんな治療をしますか?

初期治療として以下のことを行います。
  1. 肺の縮み方が少ない場合は特別な処置をせず、安静にすることで治ることもあります。週2〜3回通院していただき、その間は自宅で安静にしていただきます。

  2. 肺の縮み方が中等度以上の場合、胸に管を入れて脱気を行います。
    一般的には、胸腔ドレーンと呼ばれる管を胸に入れて脱気を行い、以後も漏れる空気を体外に逃がすために持続的に吸引する装置をドレーンに連結します(持続吸引療法)。この場合は入院が必要です。

当科では、肺の縮み方が比較的軽度の方に、小型のソラシックエッグと呼ばれる携帯式ドレーンを使用しております。たまご型の箱の中に、胸の中の空気は外に出るが、外の空気は胸の中に入らない一方弁がついております。この仕組みによって胸の中の空気が外に出て肺が膨らむのを待ちます。空気漏れが止まり、肺が拡がったことを確認したら、ソラシックエッグを抜去して治療は終了です。その間は通院で治療を行います。入院が不要なので通勤通学が可能です。


ソラシックエッグ
ソラシックエッグ

ソラシックエッグを挿入したところ
ソラシックエッグを挿入したところ


ただし、ソラシックエッグを入れても肺の膨らみが不十分な場合は入院が必要になることもあります。


どんな場合に手術が必要ですか?

@ ソラシックエッグや持続吸引療法を行っても空気漏れが止まらない場合
     (一週間くらい止まらない場合は手術を勧めています)
A 血気胸で出血量が多い場合(緊急手術になります)
B 過去に反対側の肺も気胸を起こしている場合
     (同時に両方の肺が縮んでしまうと呼吸が出来なくなってしまいます)
C 再発の場合
D 職業上必要な場合(パイロットなど)

初発でも希望があれば手術いたします。


どんな場合に手術をするのですか?

胸腔鏡を使って2〜3ヵ所の2cm程度の小さな傷で手術をしております。テレビモニターを見ながらブラを見つけて切除します。当科ではブラの切り口に吸収性シートを貼り付け、切り口の補強をすることで再発予防措置を行っております。自然気胸の胸腔鏡手術の再発率は約10%前後とされておりますが、再発予防措置を行うことで再発率は約3%に抑えています。

ブラを自動縫合器で切除しているところ
ブラを自動縫合器で切除しているところ

吸収性シートを肺に貼り付けたところ
吸収性シートを肺に貼り付けたところ


体力的に手術が難しい場合や、手術をしても再発してしまうような場合には、胸腔内に癒着剤を注入して肺と胸腔をくっつけるという方法(胸膜癒着療法)も行っております。



 


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